ファーストフード店が都会の一等地に高級店を出す理由は?-地域による価格差別
投稿日: 2014年02月15日
最終更新日: 2017年02月07日
都会の一等地に高級感のあるお店
よく見るファーストフード店が、都会の一等地にオシャレな外観の高級店を出しているの、見たことありませんか?
普段見るお店とは全く印象は違いますが、中身や店名は間違いなくどこにでもあるいつものファーストフード店です。
東京で言えば銀座や青山などに見られるこのような形態のお店、一体なんのために作られた物なのでしょうか。
今回は、高級店が都会の一等地に立ち並ぶ理由について考えてみたいと思います。そこには企業の巧妙な価格差別戦略が見て取れるはずです。
そこには地域別の価格差別がある
都会の、しかも一等地には、お金持ちが多く住んでいます。所得水準の高い人が集まりやすいですから、商品価格を高めに設定し、高級感を出した店舗に人気が集まりやすい傾向があります。
価格差別の基本的な考え方は、高くても買う人には高い価格で販売し、価格に敏感な人に対してはリーズナブルな価格で提供するという物です。
人に合わせた価格を設定することで、企業は利益を最大化させることができます。どのような人にも一律の価格を設定していては、機会費用が高くついてしまいますからね。
都会の一等地にしか存在しないファーストフード店もあり、価格差別を感じずにはいられません。ファーストフード店だけでなく、他にも様々な高級志向のお店がずらりと立ち並ぶのは、そこに住んでいる人の所得水準の高さが関係しているのです。
価格に敏感な消費者にはリーズナブルなお店を用意
一般に、所得水準が都会に比べて低い地域には、通常のファーストフード店が作られます。ですが、最近のファーストフード店はどこも同じ価格という分けではなく、その土地の所得水準や客層によって、販売価格を変えているお店も存在します。
それも価格差別の応用と考えることができます。販売する地域によって価格を変えることを地域別価格差別と言いますが、それは顧客を少しでも多く引込むため、企業が考えた戦略なのです。
販売する相手によって価格を変えるのが価格差別
価格差別は様々な形で応用されています。
販売価格を変化させるのは分かりやすい価格差別ですが、他にも方法は様々です。企業は顧客がどの程度価格に敏感かを調査し、価格に敏感な人には割安な商品を提供し、価格に鈍感な人には割高な商品を販売することにより、利益を最大化させていきます。
その調査の方法というのが実に様々で、クーポンや(保険やケータイ料金などに見られる)複雑な料金体系など、多岐に及びます。
今回ご紹介したファーストフード店が都会の一等地にしか存在しないのは、そこの客層が価格に鈍感な人(というと語弊があるので、所得水準の高い人、という言い方をしています)が多いからです。
一方、都会から離れた地域でそのような高級店を見ないのは、その地域には価格に敏感な人が多いという調査結果を企業が得ているからであると考えられます。
高い物から安いものまで品揃えを豊富に揃えるというのは、企業が利益を上げるために考えられた戦略なのです。