あなたの彼氏(彼女)は大丈夫?-恋愛における逆選択とモラルハザード

日常生活と経済学

投稿日: 2014年02月15日

最終更新日: 2017年02月07日

相手のウソを発見してしまったら

「相手にすぐ騙される」
「自分には良い異性が寄ってこない」
「なかなか理想の人と交際できない」

などなど、恋愛における悩みは尽きないものです。しかし、どう対処したら良いのか分からない。恋愛にウソはつきものですが、それをどのように捉えたら良いのかもなかなか難しい問題です。

今回の記事では、恋愛における経済学を考えてみたいと思います。相手を思い通りに動かすにはインセンティブを与えることが重要ですが、相手の行為を分類することも大切です。すべてを一緒に考えてしまうと混乱してしまいます。分類と対処ができるように、逆選択モラルハザードの関係を考えてみましょう。

恋愛における逆選択とは

逆選択とは、情報の非対称性から生じる現象ですが、恋愛とはどのような関係があるのでしょうか。

交際を相手との契約と考えると、契約前にお互いの情報を相手に提供する必要があります。その人がどんな人なのか、好みはどのような物か、性格はどうなのか、などを総合的に勘案し、契約を結ぶ(交際が始まる)ことになります。

ここで逆選択が起きてしまうということは、相手が情報を出し渋り、正確な情報を開示していないという事になります。片方しか情報を提供していないと、情報の非対称性が生まれ、円滑な取引を行うことができません。

例えばこれまで浮気ばかりを繰り返し、女性を騙し続けていたことを隠し、取り繕った偽善者を装って女性に近付く男性がいたとします。そのような男性が増えると、馬鹿正直に自分のことを嘘偽りなく白状する男性が世の中から消えてしまう、というのが逆選択の考え方です。

男性はみんな嘘つきだ、なんて思い始めてしまうと、女性は男性と交際することなどできなくなってしまうかもしれません。このような逆選択に対処するには、どのような考え方をすれば良いのでしょうか。

逆選択の対処法

逆選択の対処法は、相手(情報優位者)が発信するシグナルを適切に読み取るというものです。

特に、真摯な人、正直に話す人にしか発信知ることのできないようなシグナルを上手に読み取ることが大切です。誰にでも発信することのできるシグナルでは、嘘つきな人でも発信することができるので、シグナルとしての意味はありません。

人間関係でのシグナルとしては、本人からの物より第三者からの方が客観性があり、信頼できる場合があります。また、相手との何気ない会話や何気ないLINEの内容にも、シグナルは含まれています。

相手が発信する情報を注意深く読み取ることこそ、逆選択を防ぐ効果的な方法なのです。

恋愛におけるモラルハザードとは

交際前のウソが逆選択なのだとすると、交際後のウソがモラルハザードであると考えることができます。双方に共通するのは情報の非対称性ですから、どちらも情報の問題であると考えることもできます。

他の女性と隠れてLINEしていたり、彼女に隠れて他の女性と映画を見に行ったりなど、観察することができない場所で相手に不利益を与える行動のことをモラルハザードといいます。

信頼して契約(交際)したのに裏切られてしまった、相手がマジメに取り組んでくれない…というのは恋愛に限ったことではありませんよね。これを逆選択の問題と同じように取り扱ってしまうと、誤った対処のしかたをしてしまうかもしれません。

モラルハザードの対処法

モラルハザードはそもそも、相手のことを信用しきっていて、相手に厳しい目を向けないことから起こる問題です。

相手のことを信頼するのと、相手に厳しい目を向けないことは、全然違う事です。信頼していて、これからもうまく付き合っていきたいから、時には相手に厳しい目を向けることも必要なのです。

こちらに厳しさがないと、誰でも気が緩んでしまいます。やってもやらなくても結果が同じなら、自分のやりたいことをやろう、と考えてしまいがちです。人間とは、そういう生き物なのです。

事態を適切に把握して対処しよう

逆選択でもモラルハザードでも、悪意を持って嘘をつく方が一番悪いのですが、それを防げなかった被害者にも責任はあります。

特に恋愛のような感情が複雑に交差する人間関係では、普段の何気ない会話や態度がとても重要である場合が多いです。

今回は「交際」を起点に逆選択とモラルハザードを切り分けましたが、交際後も起点を変えれば問題の原因や対処法が見えてくる場合が多いでしょう。逆選択とモラルハザードを混同しないように、分類して個別に取り組むことを心がければ、適切に対処できる可能性も上がるでしょう。

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