企業が採用でコミュニケーション能力を重視する理由とは？-比較優位による分業の応用
最近取りざたされているコミュニケーション能力
ここ最近、「コミュニケーション能力」という言葉をよく耳にするようになりました。
企業が新入社員を採用するときに重視しているといわれるコミュニケーション能力ですが、一体何のために重視しているのでしょうか。
企業は生産性をアップさせるために新入社員を雇います。ということは、生産性のアップとコミュニケーション能力は、なんらかの関係がありそうですね。
今回は、企業の採用現場で重視されているコミュニケーション能力と、生産性アップの関係について考えてみたいと思います。そこには、比較優位による分業の考え方が見え隠れしていることが分かります。
比較優位による分業を効率的に行う
企業や集団が生産効率を上げるためには、分業することが大切です。1人ではできないことも、みんなで協力すれば達成できたりします。
当サイトの比較優位カテゴリーでは、比較優位による分業について記述してきましたが、これはどのような企業でも手に入れたいパワーを秘めています。
できることなら社員たちに効率的に分業して欲しいと考えます。そのためには、社員たちが仕事の割り振りなどを決める必要があり、お互いの得意分野などを同僚に分かってもらう必要もあります。
自分の比較優位を発見することは難しいといわれていますが、お互いコミュニケーションを取ることで、見えてくるものは多いです。だからこそ、企業は採用の段階でコミュニケーション能力を重視しているのです。
コミュニケーション能力を身につけよう
コミュニケーション能力を高める方法は色々ありますが、ここでは「他人の立場に立って考える方法」についてご紹介しておきたいと思います。
他人の立場に立つということは、
「自分がそれをされたり言われたりしたらどう思うか」
「この人は今こういう状況だから、こんな事をしたら喜ぶはずだ」
「あの人はこれが好きだから、こういう事を教えて上げよう」
など、いろんな気遣いが大切になってきますが、なかなか難しいですね。相手がそれを好きなのか嫌いなのか、どのような性格なのか、事前に知っておかなければならないことはたくさんありそうです。
また、コミュニケーション能力は初対面の人ともスムーズにやり取りできる能力も含まれていますから、習得するにはたくさんの知識や慣れが必要です。
他人の機会費用に要注意
経済学用語で機会費用というものがあります。以前、「ありがた迷惑かも？-他人の機会費用を考えることの意義」という記事で他人の機会費用の考え方についてご紹介しましたが、今回もその考え方に習ってコミュニケーション能力を高める方法をご紹介しておきます。
相手が嫌がっているのを知っていながら無理やり誘ったり、何かをさせたりするのは当然相手に嫌がられてしまいます。これは当たり前の事で、誰でも直感で理解できると思います。
他人の機会費用について考えるとき大切なのは、「相手が喜ぶだろうと思ってやった行為」であるにも関わらず、相手の迷惑になってしまうことがあるということです。自分の目線で物事を考えてしまうと、善かれと思ってした行為も相手に取っては迷惑だった、なんて悲劇も生んでしまいかねません。
コミュニケーション能力を高めるためには、相手の機会費用についても考えてあげる必要があります。
知識は味方になる
同僚や初対面の人とうまくコミュニケーションを取るには、経済的な知識が役立つことがあります。
専門用語を交えて会話することで、論理的に会話を進めることができるばかりか、話しに説得力を持たせることもできますし、信頼関係を深めることにもつながります。
当サイトでも様々な経済用語をご紹介しておりますので、知識を深めるために利用していただければと思います。
相手が稚拙な言葉で話すより、専門用語を交えて論理的に話した方が、信頼できるようになりませんか？
「こんなにいろんなことを知っている人が言っていることは信用できる」
「知識が豊富な人だから、この人の言っていることは正しいだろう」
という嬉しい結果に結びつく可能性が高いです。
オススメなのは町内会などのボランティア活動
人とのコミュニケーションをスムーズに行うためにオススメなのが、地域のボランティア活動などに積極的に参加してみるということです。
ボランティア活動は、何かの目的のために仲間と一致団結するというものです。ゴミ拾いでも良いですし、防災訓練でも良いです。
同じ地域に住んでいる幅広い年代の方々と交流することにより、コミュニケーション能力は高まります。自然な流れで（否応なしに）たくさんの人と接することができるので、コミュニケーション能力のスキルアップも見込めます。
自分がスキルアップしながら、街の活性化にもつながる。とても素晴らしいことではありませんか！
