例え効率は劣っていても生産性は上げられる?-分業して作業効率を上げよう

比較優位

投稿日: 2014年02月10日

最終更新日: 2017年02月07日

何をしても作業効率を上回る場合でも分業すべき?

経済学には比較優位という素晴らしい考え方があります。自信をなくしかけていた人にも勇気を与えてくれる、素敵な考え方です。

比較優位の考え方を取り入れることで、何をやっても作業効率が悪い、他人に負けてしまう、という人でも、利益を生み出せることを理論的に実証することができます。

今回は、比較優位の考え方を具体例を挙げながら紹介し、作業効率の悪い人でも利益を生み出せる可能性について考えてみたいと思います。「嗚呼、分業って素晴らしい!」と思っていただければ幸いです。

2人のウェブデザイナーで考えてみよう

具体例を挙げるために、XとYという2人のウェブデザイナーを登場させてみましょう。作業は画像作成とページ作成の2種類であるとします。

Xは作業効率で勝る熟練のウェブデザイナー、Yは作業効率の劣る新人のウェブデザイナーであるとします。その作業効率は以下の通り。

Xは1時間に4つの画像を作成することができる。ページ作成を行った場合、1時間に12ページ作ることができる。

Yは1時間に1つの画像を作成することができる。ページ作成を行った場合、1時間に4ページ作ることができる。

どちらの作業もXが上回っているのは一目瞭然です。このような場合、XはYと分業せず、1人で作業した方が効率的なのでしょうか。今回は、話しを単純化するために、画像やページのクオリティはXYで変わらないものとします。時間効率だけに差があるとお考え下さい。

分業する場合の比較優位を考えてみる

Xが1時間、画像作りに専念した場合、犠牲になるページ数は12ページとなります。もし1時間ページ作成に専念したら、犠牲になる画像は4つとなります。

つまり、画像1つ当たり3ページ、1ページ当たり0.33個の画像が犠牲になることが分かります。画像1つ作る時間で3ページ作ることができ、1ページ作る時間で画像が0.33個作れるということです。

Yが1時間、画像作りに専念した場合、犠牲になるページ数は4ページとなります。もし1時間ページ作成に専念したら、犠牲になる画像は1つとなります。

つまり、画像1つ当たり4ページ、1ページ当たり0.25個の画像が犠牲になることが分かります。画像1つ作る時間で4ページ作ることができ、1ページ作る時間で画像が0.25個作れるということです。

definition
犠牲になる画像やページが少ない方に比較優位があると考える。画像作成は犠牲になるページ数がXの方が少ない(Xは3ページ、Yは4ページ)のでXに比較優位があり、ページ作成は犠牲になる画像作成量がYの方が少ない(Xは0.33個、Yは0.25個)のでYに比較優位があると考える。

1人でやる時とどう変わるのか

では、上記の考え方が正しいかどうか、検証してみましょう。Xに比較優位がある画像作成と、Yに比較優位があるページ作成を交換してみることにします。

Xは1時間頑張って作業し、4つの画像を作ったとします。Yは5時間頑張って作業し、ページを20ページ作ったとします。作業時間は、Xが1、Yが5です。

そこでXが作った画像4つと、Yが作った20ページのうち15ページを交換してみましょう。

Xは作った画像4つを失いますが、代わりに15ページ手に入る事になります。

Yは15ページ失いますが、代わりに画像4つを手に入れ、しかも5ページ手元にあります(20ページマイナス15ページ)。

結果的に、Xは1時間しか作業していないのに15ページ作成した事になり、Yは5時間しか作業してないのに画像4つと5ページ作成した事になります。

Xは、自分1人で作業していた場合、1時間で12ページしか作ることができませんから、3ページ得をしています。Yは、自分1人で作業していた場合、画像を4つ作れますが余分に5ページ作ることはできませんので、5ページ分得をした事になります。

definition
このように、比較優位の考え方を取り入れれば、双方の作業効率をアップさせることができる。

一番ではなくても利益は生み出せる

全てに秀でていなくても、分業により作業効率を上げることは可能です。上記の場合、Xは全ての面でYに勝っていたのにも関わらず、Yと協力したことにより生産性を向上させました。

今回は理解しやすいように数値化していますが、日常生活には数値化できない作業はたくさんあります。しかし、比較優位の考え方を取り入れることにより、作業効率は上げられるということはお解りいただけたかと思います。

自分にはどのような比較優位があるのか考えてみることで、普段の生活にも役立てることができるはずです。

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