人はインセンティブによって動かされている?-様々なインセンティブ活用法
投稿日: 2014年02月07日
最終更新日: 2017年02月07日
経済学者はインセンティブが大好き
経済学者は「インセンティブで解決できない問題は無い」と考えている場合が多く、特に人間の行動について制約を課す場合などにも頻繁に取り上げられるテーマです。
インセンティブとは「誘因」と訳される場合が多く、人が○○する誘因、××しない誘因、などがあります。
例えばアルバイトを探している学生には、お金がもっとあったらサークルの飲み会に行けたり、オシャレな服をたくさん買いそろえたりできるというインセンティブが働いているかもしれません。
人が欲しいものを手に入れる場合、どのようにしたら良いのか、インセンティブを考えれば答えが出るでしょう。
今回は、このインセンティブが人にどのような影響を与えているのかについて考えてみたいと思います。インセンティブが分かれば、人の行動の理由がきっと見えてくるはずです。
人間の行動はインセンティブで説明できる?
経済学では、インセンティブによって人の行動はすべて説明することができると考えます。経済学とは、突き詰めればインセンティブを考える学問であるということです。
人が「いいこと」をたくさんするようにして、「悪いこと」をしないような環境を作るのも、インセンティブです。「いいこと」には報賞を与え、「悪いこと」には罰則を与えます。
それが金銭的なものである場合もあれば、精神的な場合や社会的地位である場合もあります。
人に
「もっとお金が欲しい」
「もっと有名になりたい」
「自由になりたい」
「偉くなりたい」
「人生を豊かにしたい」
「いろんな経験をしたい」
といった欲望がある限り、インセンティブは不滅です。人の欲望を刺激するのがインセンティブなのです。
時にはご褒美、時には罰則
「○○したい」という欲望があり、それを遮るのが罰則という事になります。悪いことをしたら、「○○できない状態にする」「○○を取り上げる」というハメになってしまうので、人は悪いことをしないように努めているのです。これも、インセンティブで説明することができます。
インセンティブは、アメでもあり、ムチでもあるのです。
人は幼少の頃からインセンティブについて自然に学ぶようになります。
転んで怪我をすると痛いから、転ばないように気をつけるようになる。
お父さんのものを勝手にいじるとお父さんから怒られるから触らないようにする。
人のものを勝手に盗むと周りの大人たちから怒られるから盗むのをやめる。
テストで良い点数を取ると親が褒めてくれるから勉強を頑張る。
これらの行動も、すべてインセンティブが働いているということができます。
大人になってからも考え方は同じで、あらゆる行動をインセンティブで解釈することが可能です。
経済的、社会的、道徳的に、様々なインセンティブを人々は開発してきました。それらは人間が善い行いをするように誘導し、悪い行動をとらないように工夫されているものばかりです。
経済的なインセンティブは悪いことをすると職や家庭を失い、生活することができなくなってしまうというインセンティブです。
社会的なインセンティブとは、悪いことをすると「悪いやつだ」「あいつのいうことは信用できない」「あいつはまた悪いことをするだろう」と周囲の人に思われてしまうというインセンティブです。
道徳的なインセンティブとは、悪いと分かっていることは、最初からやりたくないと思うことです。毒を食わらば皿まで、という言葉もありますしね。
時代と共にインセンティブは変わります。いつも誰かがインセンティブについて考えています。それは罰則などの法律を含みますし、税金の徴収方法についての取り決めも含みます。
時には自分の行動をインセンティブを使って考えてみると、思いがけない発見があるかもしれませんね。