空売りとは
投稿日: 2014年02月12日
最終更新日: 2017年02月07日
下げ相場で利益を出す方法
ある「所有していない物」が値下がりしそうなときに儲けを出すため、その物を借りてきて売却することを空売りといいます。その物は最初は持っていなくても売れるという不思議な現象です。
貨幣や株式などは、色分けされていないので借りた物を売って、返すときに買って貸し主に返すということが成り立ちます。
これが貨幣や株式ではなく一点物の絵画だと成り立ちませんが、他に代わりになるものがたくさんある物だと、返すときに買い戻せるので空売りが可能となります。
売れば売るほど市場にその物が出回るので価格が下がり、価格が下がれば下がるほど空売りした人の利益は増えることになります。
数値例で見てみよう
例えばドルを持っていないとき、ドルが下がると予想したとしましょう。
そこで100万ドル借りて、円と交換してもらいます。1ドル120円だとして1億2,000万円ですね。
そして、予想通りドルが100円まで下がったとします。このときに借りていた100万ドルを返すとすると、1億円で済みます。
100万ドル返しても手元には2,000万円が残り、儲けることができるという訳です。
厳密には借金した際の利息や両替の手数料などがかかりますので○○2,000万円が儲けとなる訳ではありませんが、空売りを分かりやすく説明すると上記のようになります。
日本円を絡ませる必要はなく、米ドルとユーロなど、海外のお金同士でも空売りは可能です。
上の例では高いときに借りて安いときに返していると考えることができます。
株式で考えてみよう
空売りは株式市場でよく行われる手法ですので、株式の場合どのような手順なのかを見ておくことにしましょう。
まず、A社の株式を持っていないけど値下がりすると予想したとします。このときA社の株式は100万円だったとします。
持っていないのでA社の株式を借りてきて、証券市場で100万円で売却します。
予想通りA社の株式は80万円まで値下がりしたとします。そのときに証券市場でA社の株式を80万円で買い、最初に借りたA社の株式を返却します。
結果として、差額の20万円(厳密には手数料などが差し引かれる)を儲けることができたという訳です。
利益は有限、損失は無限
空売りは値下がりすればするほど儲けが大きくなる手法です。しかし、株価や貨幣価値は0以下にはならないので、得られる利益は多くても現在の為替レートや株価という事になります。
しかし、都合良く値下がれば得できますが、値上がったら損をします。株価は上限がなく、空売りの損失にも上限がありません。この点には、注意が必要です。