インフレーションの考え方の基本〜景気と金利と為替の関係
投稿日: 2014年02月10日
最終更新日: 2017年02月07日
インフレとその対応策
インフレーション(略してインフレ)とは、物価が上昇し続ける事です。特定の分野のモノの価格が(急)上昇することをバブルと呼びますが、インフレの場合は特定の分野ではなく全体的に物価が上昇している状況のことを指します。
インフレの時、政府はどのような行動を取れば良いのでしょうか。
今回は、インフレのときに政府はどのような政策を打ち出すのか、インフレは日本にとってどのような影響があるかなど、インフレの基礎をご紹介してみたいと思います。
景気と金利の関係
景気が悪いときには、政府は金利が下がるように仕向けます。金利が下がれば企業が銀行からお金を借りやすくなり、思い切った投資がやりやすくなるためです。投資をするということは、(売上を今より上げるために)建物を建てたり機械を買ったりするので、多くのお金が動く事になります。
金利は企業だけでなく個人にも影響します。個人は金利が下がるとローンを組みやすくなり、大きな買い物をしようと思いやすくなります。家や車を買うためにはローンを組む必要がありますが、ローンは金利が安いときに組んだ方が支払利息が安くなります。
どちらもモノが売れやすくなったりお金が回りやすくなったりするので、景気が改善する方向に進みやすくなると言えます。
物価上昇率と為替の関係
インフレの状態というのは、物価が上昇している状態であるということができます。つまり、相対的にお金の価値は下がっている状態です。
ということは、物価の上昇であるインフレを抑えるためには、お金の価値を上げることは一定の効果をもたらします。
従って、インフレの状態の時は、政府は自国通貨の価値を上げる政策を打ち出します。日本で言うと、円高になるように仕向けるということです。
輸入製品との価格差が縮まる
円高になると輸入業者は安く外国の製品が輸入できるようになるので、店頭には安い海外製品が並ぶようになります。
そうなると、日本にある製品は相対的に高価格になり、売れ行きが落ち込みます。すると既存の製品は(売れるようにするために)値下げして売られるようになります。
このように、物価上昇を抑えるために、政府は円高に進むように政策を打ち出すのです。
物価上昇率と金利の関係
物価が上昇しているインフレの局面では、金利は上がった方が望ましいと言えます。
金利が上昇するとその通貨の需要は増加するからです。つまり、たくさん金利がもらえるのでみんな欲しがるようになる、ということです。
みんなが欲しがるということは、その通貨の価値が上がるという事になり、結果として(日本なら)円高になるということです。