ネットワーク外部性とは
投稿日: 2014年01月14日
最終更新日: 2017年02月07日
利用者が増えるほど価値が上がる現象
ネットワーク外部性とは、ある製品やサービス、商品などの利用者の数が増えれば増えるほど、1人1人の利用者の利便性が上がり、それに伴いそれらの製品の価値が上がる環境のことを言います。
世の中で自分1人しかそれを使っていなければほぼ無価値だが、たくさんの人が使っていることで利便性やそのものの価値が上がっていきます。
日常生活でも、ネットワーク外部性は様々なところで見て取れます。ビデオのVHS規格、DVDやブルーレイ、パソコンのOS、言語、ファックス、携帯電話などなど、枚挙に暇がありません。
このネットワーク外部性、企業が意図的に作り出す事もあります。また、すでに標準規格が定まっているような場合、低価格で高い利便性の製品を手に入れることも可能です。
喜ばしくない人もいる
標準規格を使っている人、言い換えれば長いものに巻かれている人にとっては好ましいネットワーク外部性ですが、それを使っていない人にとっては一苦労です。
その規格が誕生する際には、数種類の規格がしのぎを削り、シェア争いをして勝ち残ったものが標準規格の座を勝ち取ることができます。
その規格の黎明期に、後々シェア争いに負けてしまった側のユーザーは、周囲にそれを使っている人も少なく、新しいバージョンもなかなか発売されないため、苦労してしまう事になるかもしれません。
政府介入の是非
上記のような人を出さないためにも、政府が介入して標準規格規格を定めてしまえば良いという考え方もあります。
最初から半ば強引に標準規格を定め、仲間はずれを作らないようにしようという考え方です。
そうすれば、シェア争いに負けた側の製品を使うことも無く、全員がネットワーク外部性の恩恵を受けることができる夢のような環境ができるかもしれません。
しかし、政府介入により標準規格を定めてしまうと、より良く、より速く、よりスタイリッシュに、より便利に、という向上心が失われてしまい、新しいアイデアや商品が生み出されなくなってしまう可能性があります。
現在のところ、そういった政府介入は行われていませんが、その裏にはそういった開発への野望といった観点もあるようです。