高性能のパソコンを買うか否か?-作業効率と機会費用の考え方
投稿日: 2014年02月01日
最終更新日: 2017年02月07日
パソコンって高いけど買い替えるべき?
近年のパソコンの発達は凄まじく、技術の進歩には目を見張るものがあります。その作業スピード、効率、容量、どれをとっても数年前とは比べ物にならないといっても過言ではありません。
そんな進化の目覚ましいパソコンですが、買うとなるとなかなかの金額なので買い替えを決断するのも一苦労。
そこで今回は、そんなパソコンを例にとり、買い替えに関してどのように考えれば良いのか、機会費用という経済用語を利用して考えてみたいと思います。決断の参考になれば幸いです。
機会費用を使って計算してみよう
具体的に計算する前の下準備として、若干無理やりですが数値化しておきたいと思います。ちなみに、パソコンを使って仕事をしているという設定です。パソコンの性能が上がれば上がるほど収入が増えるものとし、1年のスパンで考えてみます。
パソコンを買い替えずにそのまま使い続けた場合
初期投資額…0円
現在のパソコンで1年間に稼げるお金…300万円
パソコンを新たに買った場合
初期投資額…30万円
新しいパソコンで1年間に稼げるお金…500万円
どのように計算するのか?
パソコンを買い替えなかった場合の機会費用を計算してみたいと思います。この場合の機会費用とは、ある選択を「しなかった」ことにより得ることのできなかった利益のことを指します。つまり犠牲になった利益のことですので、使わずに済んだお金は引き算します。
初期投資額0円ー新しいパソコンの代金30万円+1年間で稼げるお金の増加分200万円=170万円
パソコンを買わないで今のを使い続けるという選択をした場合、新しいパソコンの購入代金30万円は節約できたけど、利益の増加分200万円を諦めなければならないという事になります。従ってパソコンを買わなかった場合の機会費用は170万円という事になります。
1年間で稼げるお金の増加分は200万円ではなく30万円だった場合、機会費用はゼロになります。
利益増加分が30万円ではなく20万円だと、機会費用はマイナス10万円になりますので、その場合買い替えるべきではないという事になります。
現状維持でも機会費用はかかる
パソコンを新たに購入しない場合、財布の中からはお金は出て行くことはありませんが、増加する利益を手にすることができないと、経済学では考えます。いわゆる逸失利益ですね。
新たにパソコンを購入することで30万円支払わなければならないが、それにより作業効率が上がって200万円多く利益が獲得することができるならば、買い替える方が合理的であると考えます。
逆にパソコンを買わずに現状維持した場合、買い替えれば手に入ったはずの利益の増加分200万円を手にできず損した、と考えます。
実際に出て行くお金はないとしても、手に入るお金が減るということまで考えるのが、機会費用を理解する上でポイントとなります。
色々な意思決定に活用できる
今回は理解しやすいために、半ば強引に数値化しましたが、世の中の意思決定は全て合理的に数値化できるとは限りません。
しかし、機会費用の考え方は重要で、日常の様々な局面で応用することができます。
もし判断に迷ったら、機会費用の考え方を思い出し、当てはめて考えることができれば、解決策が見出せるかもしれません。