見えないところではやりたい放題?-コミュニティサイトのプロフィールと現実世界の乖離

逆選択

投稿日: 2014年02月08日

最終更新日: 2017年02月07日

世の中そんなに美形ぞろいでしたっけ?

コミュニティサイトのプロフィールほど、嘘が蔓延している場所はありません。

男性を見ても女性を見ても、背が高くて細くて収入が高くておまけに美形。でも現実の世界は全然違う。

でも嘘をつくにも、それなりに理由があるのです。今回は、コミュニティサイトでの偽りや、その動機について考えてみたいと思います。不特定多数の人が入り乱れるコミュニティサイト。独自の文化の発展をちょっと覗いてみましょう。

人が情報を「盛る」理由

コミュニティサイトで自分のプロフィールを盛る理由は、誰にも見られない、実際に会うまでバレないから良い(会ったときに打ち明けるつもり)、みんなやってる、など様々でしょうが、一番の理由は

「盛らないと誰からも連絡がこない」

からです。誰ともコミュニケーションを取れなければ、コミュニティサイトに登録している意味がなくなってしまいます。誰かとコミュニケーションとってこそ意義があるコミュニティサイトなのですから、ちょっと盛ってでも誰かと連絡を取り合いたいというインセンティブが働くのでしょう。

情報の非対称性の存在

コミュニティサイトのプロフィール欄にも、情報の非対称性は存在します。

相手より圧倒的に自分に対する情報が多い(相手は自分のことを知らないから当たり前なんですが)ので、情報優位ということになります。だましてやろうという気持ちはないものの、インチキしているのは事実です。

それがインチキかどうか確かめたいのであれば、コミュニティサイトの美形比率と、現実の世界の美形比率を比べてみればすぐに分かることです。

それでも人は盛り続ける

罪悪感はあるものの、人は盛り続けます。客観的に「こういうひとだとモテるんだろうな」という理想像に自分を近づけます。

写真も自分のものを使わなかったり、自分のだけど大幅に盛れていて知り合いでも本人であると認識できないようなものを使ったりします。

このようにして、コミュニティサイトは美女とイケメンしかも高給取り、で溢れ返ることになります。

情報の非対称性からくる逆選択はあらゆる場面で顔を出す

情報がゆがめられたコミュニティサイトは逆選択が起きている典型的な場であるとよく取りざたされます。

嘘やインチキが多すぎて、本当に美しいものが見えにくくなってしまっているのです。本当に自分の好みの人を探そうとしようにも、書かれていることが嘘かほんとか分からないから探せない。特に、美化されているものは信用できない(みんなそうするから)。

となると、ちょっとは信用できるな、と思うのは美形ではなく小太りで、写真も美しい容姿とは言えない、年収も少ない、というプロフィールだけになってしまいます。

このような逆選択はコミュニティサイトだけでなく、中古車市場や生命保険市場等でも例えられます。

definition
情報の非対称性を利用して嘘が蔓延してしまうと、市場そのものに逆選択が起こって、本当に得たい情報を得にくくなってしまう。

本当の情報を探すことができればコミュニティサイトでも理想的な相手を見つけることができるかもしれませんが、嘘やインチキを撲滅しない限り難しいと言わざるを得ません。

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