日本の調子が良いと円高になる?-景気と為替の関係
投稿日: 2014年01月28日
最終更新日: 2017年02月07日
うまくいっている国のお金は人気が出やすい
業績が良い会社の株価がどんどん上がるのと同様、業績の良い国の貨幣価値は上昇しやすい傾向にあります。
どちらも上昇する要因は
「欲しい人が増えるから」
という考え方で説明することができます。株でも貨幣でも一般の商品でも、存在する量に対して欲しい人が増えると価格が上昇しますよね?
今回は、景気と為替はどのような関係があるのかについて考えてみたいと思います。そこにはどのような因果関係があり、なぜそうなるのかについて考えてみましょう。
日本の好景気は円高の要因
例えば、日本が好景気に沸いていて、アメリカが不景気な状態であるとします。
とすると、日本の方を皆信用し、ドルより日本の円を欲しがるようになります。また、上記のような状態ですと、アメリカの企業より日本の企業の方が業績が良くなるだろうと予想する人が増え、日本の企業の株式を購入するようになります。
どちらも、「円を欲しい人が増える」事につながるので、「円を欲しい人」が増える事になります。
不景気なのに円高になる事もある
しかしここ最近の日本では、不景気だと言われているのに円高がものすごい勢いで進んだりしましたよね。「円高不況」なんて言葉もあるくらいです。
つい最近まで、1ドル70円台後半で取引されたししていました。これはとてつもない円高ということができます。
さて、冒頭の説明では、好景気なら円高、不景気なら円安に進むはずでした。なぜ不景気なのに前代未聞の円高に見舞われてしまったのでしょうか。
それは、景気は円高・円安を決める1つの要因に過ぎないからです。
景気はそれらの様々な要因の1つに過ぎない。
あくまでも「要因の1つ」として考えることが重要
「好景気だから円高!」「不景気だから円安!」
と、決めつけるのではなく、1つの要因として捉えるようにしておきましょう。
円安・円高を決める一番大きな要因は、経済のファンダメンタルズです。ファンダメンタルズとは、経済の基礎的条件とも言われ、経済成長率や国際収支、失業率、物価上昇率などを含みます。いろいろな要素が絡み合って算出されるので、予想するのが難しいですが、短期的にはファンダメンタルズの予想によって為替相場が変動したりもします。
為替相場はたくさんの要因で変動しますが、経済事象を注意深く観察することによって、大まかな予測はできるようになるかもしれませんね。