Facebookにもネットワーク外部性?-幅広い世代が利用して高まるユーザビリティ
投稿日: 2014年02月14日
最終更新日: 2017年02月07日
老若男女に親しまれているFacebook
Facebookはネットワーク外部性が働いている環境の典型例であると考えることができます。Facebookにおけるネットワーク外部性とは、例えばユーザーが自分1人しかいない場合は何の役にも立ちませんが、ユーザーが増えれば役に立つツールとなる、ということです。
Facebookを使っている友人が増えれば増えるほど、やり取りできる項目や確認できる項目、新たな発見などが増え、ユーザビリティが上がっていきます。経済学では、このように利用者が増えるほど1人1人の利便性が上がるものをネットワーク外部性といいます。既存のFacebookユーザーは追加の出資などをする必要がなく、ユーザーが増えるだけでFacebookそのものの価値が上がっていると考えます。
今回は、Facebookを例に挙げ、どのようにネットワーク外部性が働いているのかについて考えてみたいと思います。簡単なFacebook利用法などもご紹介しておりますので、Facebookを利用したことのない方でも楽しんでいただけるはずです。
ある30代男性の友人年齢の分布
そもそもFacebookとは、インターネット上で友人たちと交流することのできるソーシャルネットワークサービス(SNS)です。その年齢層は幅広く、これまでのSNSを大幅に上回っているということができます。
それを実感していただくために、今回はある30代男性の友人の分布をご紹介してみたいと思います。
このグラフは、年齢別にデータを採取し、それをグラフにまとめた物です。同世代の友人が多いことが分かりますが、10代や40代、50代の友人も存在します。
どの世代に友人が多いかは、その人の生活環境に依存するでしょうが、このグラフはFacebookは幅広い世代に利用されており、しかもその人たちと交流できる可能性があるということを示していると思います。
他のソーシャルメディアにはない人気
これまでは年齢が離れた人と連絡を取るには、メールを利用するしかありませんでした。しかしメールは、こちらから能動的にメッセージを送信するという行動を取らない限りコミュニケーションは生まれません。その人が普段何をしているか分からない、こちらからメッセージを送信したら失礼になるかもしれないなどの心配がありますから、なかなか年の離れた人との交流は難しい物がありました。
これまでSNSは存在しない訳ではありませんでしたが、その規模や年齢の広がりが小さく、若者たちの遊び道具程度の役割しか果たしていませんでした。
しかしFacebookは、これまでのSNSにはない年齢層の広がりを見せているので、これまで連絡を取ることのできなかった人とさえ交流することができる可能性を与えてくれます。
Facebookを利用してくれれば、能動的にメールを送らなくても、相手側が写真などの情報を発してくれるので、受動的にデータを受け取ることができます。それならその相手の時間に干渉する事もありませんし、迷惑になる可能性は極めて低いでしょう。
スマートフォンの普及も追い風に
近年のスマートフォンの普及もFacebook人気の追い風になっています。Facebookには簡単に使えるアプリがあり、そのアプリをダウンロードするだけで簡単にFacebookを利用することができるようになります。
操作は非常に簡単で、世代に関係なく利用することができるようになっております。スマートフォンとアプリ、そしてそれらの普及も手伝って、様々な世代からFacebookは愛用されております。
ネットワーク外部性の一例
それではここからは、Facebookのネットワーク外部性について具体的に紹介してみたいと思います。利用者が増えるほど既存のユーザーが得することって、どのような物があるのでしょうか。
その人が普段何をしているのかを知ることができる
何気なくタイムラインを眺めているだけで、友人たちの最近の動向は分かります。こちらが何も干渉することなく、受動的に情報を受けることができますので、相手の迷惑にならずにデータを受信できるのがポイントです。
こちらから催促して情報を教えてもらうのではなく、相手側がアップロードした情報を閲覧するだけで、相手側の情報を得ることができますので、メールとは決定的に異なると考えられます。
利用者が増えれば増えるほど、アップロードした写真などにコメントやいいねなどの反応が増えるので楽しさも増すでしょう。
最近やり取りしていない人でも気軽にいいねできる
「いいね」というのはFacebookの画期的な機能で、「見たよ」と同じような意味で使われることが多いボタンです。
日本人は律義な人が多く、コメントをくれた友人にはコメントを返さなければ失礼だという暗黙のルールがあるため、コメントをするにはなかなかの勇気が必要です。コメントはメールに似ている部分が多く、「相手に迷惑になったらどうしよう」と考えるユーザーも多いです。
その点、いいねボタンなら、返事をする必要はありませんし、お互い気楽です。いいねされた側は
「あー、この人見てくれたんだな」
「今度この人が何かアップロードしたら、こっちからもいいねしてあげよう」
ぐらいにしか思いません。いいねする相手が年の差のある相手でも、いいねなら気軽に押すことができます。
久しく連絡を取り合っていないような人でも、いいねなら気軽です。メールだとちょっと気まずい、コメントするにもちょっと…と思うような相手でも、いいねは気軽に押すことができるので、とても重宝します。
同窓会などを企画できる
ユーザーが増えていくと、学生時代の同級生たちがほぼFacebook上に集結している場合があります。同級生たち1人1人にメールを送るのは大変ですし、全員のメールアドレスを入手するだけでも大変な作業です。
その点、Facebookの利用者が増えて同級生がほぼユーザーになれば、Facebook上で連絡を取り合えるようになり、うまくいけば同窓会の企画などもFacebook上だけで終わらせることができるかもしれません。
同窓会の企画を全てをFacebookだけで周知させるのは難しいかもしれませんが、そのキッカケは作ることができます。
仕事を頼む・頼まれる場合がある
これは稀なケースかもしれませんが、普段自分がやっていることを積極的にFacebookにアップロードしていると、そこから仕事につながる可能性があります。
Facebookを利用していなければ、その人が普段どのような仕事をしていて、趣味で何をやっていて、得意なことはなんなのか、分からないことも多いです。
しかし、Facebookで頻繁に情報を公開しておけば、少なくともFacebook上の友達には自分のことを知ってもらえることができます。そして、どうせ頼むなら友人に頼もうというインセンティブが働けば、Facebook経由で仕事の依頼が来る事もあるかもしれません。
高まり続けるFacebookのユーザビリティ
すでに凄まじい勢いでユーザー数を増やしているFacebookですが、今後もこの傾向は続く事になりそうです。
もしまだFacebookをやっていない人が、これからFacebookを始めたらビックリする事になるかもしれません。なぜなら、久しく連絡を取っていなかったあの人や、初恋のあの人、仕事でお世話になった先輩などが既にFacebookを利用していて、そこからまた交流することができるようになるかもしれないからです。
しかもユーザー数が増えることは、既存のユーザーの利便性も上げる事になりますから、一石二鳥です。もしまだFacebookを始めていない方、始めようか悩んでいる方がいらっしゃいましたら、これを機に始めてみてはいかがでしょうか?
ユーザー数が増えれば増えるほど既存ユーザーの利便性が上がる環境ですので、あなたというユーザーが増えても例外なくネットワーク外部性が働くことでしょう。