技術革新しても人間の仕事は絶対に無くならない?-比較優位の考え方
投稿日: 2014年01月27日
最終更新日: 2017年02月07日
コンピューターによる技術革新は不安?
近年の技術革新のスピードは目覚ましく、「仕事か機械に取って代わられてしまった」などと言った事態も散見されます。
しかし人間が必要なものを作り出す社会なのですから、人間の欲望がある限り、機械に全て取って代わられるなんて事はありません。
今回は、技術革新が進んだ世の中でも、人間の仕事、やるべきことは永久に無くならないという考え方を、比較優位を交えてご紹介していきたいと思います。
比較優位の考え方を取り入れてみる
以前、比較優位は万能か?-人々も国々もみんな仲良し大作戦という記事で比較優位について解説致しましたので、「比較優位を知らない」という方は、この記事の続きを読む前にご一読されることをオススメ致します。
以前であれば機械やコンピューターはありませんでしたので、必要なものを作り出すには全て人間の手作業により行われてきました。
しかし近年、技術が進歩し、あらゆる局面で人間の代わりに機械が素早く作業してくれるようになりました。
比較優位の考え方を取り入れるなら、自分より作業効率の良いスーパーロボットが出現してしまったことにより、自分のすべき作業が無くなってしまった…という事になるのでしょうか?
いいえ、そうではありません。機械を使うのは人間です。そして人間には知恵がある。機械を都合の良い道具として扱い、自分の比較優位を変化させることに利用すれば良いのです。
「技術ありき」で考えてみる
今まで機械がなかった場合は自分の生産効率が5だったとして、生産効率10の機械が出現したとします。
「機械に仕事をさせた方が速いので、自分は何もすることが無い」
と考えるのは簡単ですが、それでは仕事のすべてを機械に取られてしまい、糧を得られなくなってしまいます。そうなっては困るので、今まで自分がしてきた作業で得られたノウハウを活用し、「機械を使いながら」さらに生産性を伸ばせることができれば、以前より生産性をアップさせることができるようになります。
ブローカーやディーラーと呼ばれる人々も、仕事の大半を機械に奪われてしまったのにも関わらず、それを巧みに利用してさらに生産性をアップさせています。
機械などの技術の進歩は、比較優位を変化させます。自分のすることが無くなってしまったと嘆くのではなく、常に自分の比較優位について認識し、機械などの技術導入の際に改めて自分の比較優位について考え直すことは、とても大切です。