比較優位は万能か?-人々も国々もみんな仲良し大作戦
投稿日: 2014年01月15日
最終更新日: 2017年02月07日
自分は何もできないと思っていませんか?
「俺はなにをやってもダメだ」
「私には人に自慢できるような特技は無い」
「自分に自信を持ったことなど一度も無い…」
などと、暗ぁぁいこと、考えたりしていませんか?
でも大丈夫、この記事を最後まで読めば、きっと自分に自信を持てるようになるはずです。
経済学には「比較優位」という素晴らしい考え方があります。今回は比較優位の素晴らしさについてご紹介し、その考え方と適用方法、考えるべき問題についてご紹介していきたいと思います。
誰にでも比較優位はある
1人より2人、2人より3人で協力した方が、作業を効率的に進めることができるという考え方。
かなり大雑把な言い方ですが、比較優位の考え方を一言で言うなら、上記のように落ち着くはずです。
なんでもかんでも自分1人でやってしまうスーパーマンでも、分業には敵いません。野球の田中まーくんも、サッカーの本田も、この記事を書いている管理人も、この記事を読んでいる読者様も、みな比較優位を持っています。誰一人として例外はいません。
なまけて良いという訳ではありませんが、人より優れている必要があるということでもありません。だって、比較優位があるんだから。
比較優位の考え方
しかし、2つの仕事をしなければならない場合、分業するしか無い。
そのとき、比較優位のある作業に専念すれば生産性を最大化させることができる。
やらなければならない作業が2つあり、どう頑張っても1人1つしかできない場合、時間的制限がある世の中では分業した方が明らかに生産性は高いです。
例えば作業Xと作業Yがあるとして、そこにいる人材はAとBだとします。
Aは1時間にXを10個、Yを15個作ることができるとします。
Bは1時間にXを6個、Yを12個作ることができるとします。
どちらを作ってもAの方が効率がいいため、Bには仕事が無いのでしょうか。もちろん答えはNOです。分業した方が、明らかに効率良く作業を進めることができます。
具体的に計算してみよう
AもBもXを作ることに専念したら、Xを1個作るのに何個のYを犠牲にしなければならないかを考えてみましょう。
Aは1時間にXを10個、Yを15個作ることができるので、Xを1個作るためにYを1.5個犠牲にしなければなりません。
Bは1時間にXを6個、Yを12個作ることができるので、Xを1個作るためにYを2個犠牲にしなければなりません。
AがXを専門的に作った方が、犠牲になるYが少なく済むと考えることができます。
次に、AもBもYを作ることに専念したら、Yを1個作るのに何個のXを犠牲にしなければならないかを考えてみましょう。
Aは1時間にYを15個、Xを10個作ることができるので、Yを1個作るためにXを0.67個犠牲にしなければなりません。
Bは1時間にYを12個、Xを6個作ることができるので、Yを1個作るためにXを0.5個犠牲にしなければなりません。
BがYを専門的に作った方が、犠牲になるXが少なく済むと考えることができます。
ムダな人材などいません!
上記の例で行くと、AはXとYのどちらを作ってもBより効率が良いですが、すべて自分でやるよりBと協力した方がたくさん作ることができます。
比較優位を考えると、AはXを専門的に作り、BはYを専門的に作ることで、生産性を最大化させることができると考えます。
このように、「時間」という貴重な資源がある現代社会では、比較優位の考え方は非常に重要な意義を持ちます。どっちを作ってもAに及ばないBにだって、比較優位はあるのです。
国際的な比較優位もある
現実の世界にも比較優位の考え方は無数に存在します。
先ほどの例では、人間同士の比較優位を考えましたが、同様の考え方は国と国の関係にも当てはめることができます。
輸出入や生産性で国同士の比較優位を考え、それに特化した産業を行うことにより、生産性を最大化させるという考え方です。
比較優位は変化する
技術の進歩や国家の成長などによって、比較優位は常に変化します。
先ほどのAとBの例でも、手作業ではなく機械で作業するようになったら、機械に比較優位の座を奪われてしまう事もあるかもしれません。
そのような場合、弾力的な意識改革により、これまで従事してきた仕事にこだわるのではなく、新たな新天地(比較優位)を求めて行動するのも、大切な考え方であると言えますね。