新品同様でも価値半減?-逆選択と価格の仕組み

逆選択

投稿日: 2014年02月08日

最終更新日: 2017年02月07日

新品同様でも価格が半減してしまうことがある

あるものを買って、すぐに売却しようとしても、購入金額の半分か、多くても4分の3程度の金額にしかならない場合があります。

そこには情報の非対称性に起因する逆選択が起こっていると考えることができます。

今回は、すぐに値段が下がってしまうのはなぜか、逆選択とは何か、情報とどのように関係があるのかについて考えてみたいと思います。

買ってすぐ売るのは欠陥品だから?

見た目でその中身が判断することができない商品、または中身が複雑な商品の場合、新品と新品同様とで価格が大幅に違う場合があります。

その理由は、

「買ってすぐ売ると言うことは、それが欠陥品だったからだ」

と疑われてしまうからです。見た目で判断することが難しい以上、それを買って1度でも使った人ならその商品の善し悪しが分かっているはずです。

それを使ったことない人は、それがどのような商品なのか分かりません。ですから、新品を買ってすぐ売りたがるということは、何らかの問題がある商品ではないかと思われてしまうのです。

この例は、中古車で例えられることが多く、中古車市場を「レモン市場」と呼んだりします。

中古車はキレイな外観をしているが、欠陥を抱えた物が市場に出回る場合があり、見た目は綺麗だけど、中身は酸っぱいレモンに例えられます。

逆選択が起こりやすいものとは

数あるものの中から良いものを選ぶ行為を「選択」と呼ぶなら、逆選択は選択の逆の行為と考えることができます。

本当は欠陥などどこにもない、全然違う理由で「買ってすぐ売りたい」のに、それを買う人は「何か欠陥があるはずだ」と勘ぐってしまいます。

「新品をすぐ売ろうとしている人」の中には、本当に欠陥があって、でもそれを暴露してしまうと高く売ることができないので秘密にしておき、販売価格を出来るだけつり上げようとする不届きものもいることでしょう。

それが見た目で判断することができない類いの商品なら、販売価格は(善良で悪意のない人も)不届きものに歩調を合わせなければ売れなくなってしまいます。すると善良な人はそれの本当の価値を知っているため(低い価格でしか売れないなら)売りたがらなくなり、市場には欠陥品ばかりが流通してしまう、という現象が逆選択です。

消費者も情報収集しやすい時代に

新品から中古品になってしまった場合に瞬時に価格が落ちてしまう原因は、買い手と売り手に情報共有がなされていないからです。

経済学では、これを情報の非対称性といいますが、売り手と買い手の双方に同じだけ情報が与えられているのであれば、双方納得のいく価格で売買が成立するはずです。

以前であれば情報を収集するのはとても難しく、専門家しか入手することのできない情報もたくさんありましたが、現在ではインターネットの普及により、誰でもあらゆる情報を手に入れることができるようになりました。

インターネットで全ての情報の非対称性、全ての逆選択が回避できる訳ではありませんが、情報を収集するという側面においては絶大な効果を発揮します。

インターネットで掲示されている情報は真偽が乏しい物もあり、簡単には鵜呑みにできませんので、情報の信頼性を自分で判断しなければなりません。しかし、情報の収集能力と、判断能力を磨けば、インターネットから得られる情報を有効活用することができるようになり、情報の非対称性を回避することができるようになるかもしれません。

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インターネットは便利だが、役立てるためには真偽を見抜く判断力が必要。
情報を有効活用すれば、逆選択を回避できる可能性がある。

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