過ぎた時間は返ってこない?-時間を合理的に考えるサンクコストの教え

サンクコスト

投稿日: 2014年02月01日

最終更新日: 2017年02月07日

何をするにも「時間」が必要

仕事にしろアルバイトにしろ勉強にしろ、人は何をするにも「時間」が必要です。もちろん、睡眠を取ったり食事をしたりするのも例外無く時間が必要。

この「限られた時間」をコントロールするのはとても大切な考え方ですが、考えすぎるあまり過去の時間だけでなく将来の時間までもムダにしてしまう可能性があります。

今回は、過去に費やしてきた時間にとらわれるあまり、「将来の時間」をも犠牲にしてしまうとはどういうことか、サンクコストを例に取って考えてみたいと思います。これまでしてきたことを正当化したいあまり、将来の時間まで犠牲にしてしまうのは、とてももったいないことです。

過ぎた時間はサンクコスト

過ぎ去った時間は絶対に返っては来ません。経済学で言う、サンクコストです。

時間を何に充当したにしろ、例外無く「時間が返ってくる」ということはありません。

このように貴重な「時間」ですが、コントロールすることは可能です。過去に過ぎ去った時間は返ってきませんが、将来の時間をどのように使うかはこれから決めることができます。

過去に何かに打ち込み、それを今でも続けているとします。しかし薄々「あまり意味の無いことだな」と勘付いているとしても、これまで費やした時間を考えるとあとに引けなくなり、無理にそれを続けているということがあり得ます。それこそ、サンクコストの呪縛。そのような考え方は、将来の大切な時間を犠牲にすることになりかねません。

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サンクコストは忘れることが重要!

費やした時間が膨大であるほど割り切りにくい

費やした時間が1時間や2時間程度なら、忘れることもどうということはありませんが、1年や2年、それに費やしているのであれば、なかなか忘れることはできません。

「これまで費やした膨大な時間がムダになる」ことを恐れ、ズルズルとそれに引きずられてしまいます。それこそ本当にもったいないことで、撤退する勇気も時には必要です。将来の時間を大切に考えるのであればなおさらです。

過程にも意味がある

何年もある事に打ち込み、目標を達成できなかったとしても、その過程で得たものはたくさんあるはずです。

「結果を出さなければ意味が無い!」

という考え方も時には大切ですが、

「過程で得たものも大きい!」

と考えることで、サンクコストの呪縛から抜け出しやすくなります。今やっていることが果たして本当に正しいのか、費やした時間を忘れて考えてみて下さい。驚くほど合理的な考え方ができるようになるかもしれません。

判断に迷ったら幼少期を思い出せば良い?

サンクコストとは、行動経済学の分野で頻繁に取りざたされる重要なテーマですが、近年欧米で研究が進み、次のようなことが実証されました。

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サンクコストの呪縛に一番とらわれにくいのは赤ん坊であり、年を取ると共にサンクコストの呪縛に陥りやすくなる。

確かに乳児や幼児は、それまで費やした時間にとらわれず自由奔放です。幼少期に戻ることはできませんが、乳児や幼児に教わることも多いということかもしれませんね。

過ぎた時間が返ってくることはありませんので、これからの時間、将来の時間を大切に考えていきたいものです。

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