「乗り放題」「歌い放題」にも要注意?-○○放題に潜むサンクコストの呪縛
投稿日: 2014年02月01日
最終更新日: 2017年02月07日
「○○放題」で注意しなければならないこと
世の中に多数存在する「○○放題」というシステム。一見お得なように見えますが、そこにはサンクコストの呪縛が存在します。
「せっかくお金を払ったんだから、元を取らなきゃ損!」
「○○放題なんだから徹底的に活用しなきゃ損!」
と、人は損をしないためにどうすればいいのか考えがちです。
今回は、このような「○○放題」に潜むサンクコストの呪縛について考えてみたいと思います。「○○放題」だからといって、徹底活用するのが正解とは限らないということが、ご理解頂けると思います。
具体例を見てみよう
それではここからは、具体的に「○○放題」について見ていくことにしましょう。世の中にある「○○放題」というシステムをちょっと覗き、そこに潜むサンクコストの呪縛について考えていきたいと思います。
カラオケの歌い放題
カラオケにはよく「フリータイム」という制度があります。平日の昼間など歌い放題なのに格安というサービスは消費者にとっても嬉しいこと。
人は「歌い放題」と聞くと、「歌わなければ損」と考えがちです。たくさん歌って元を取ろうと考え、逆に歌い過ぎて喉を痛めてしまうこともしばしば。
さらに、例えば「平日の13時〜17時までフリータイム」と聞くと、時間ギリギリまで粘って歌い続けようとすることも。
これらの行為は、典型的な「サンクコストの呪縛」というものです。つまり、最初に払った金額の元を取ろうと、「カラオケ」というシステムを徹底的に余すところなく利用しようと考えるのです。最初に払った金額をムダにすること無く、ギリギリまで歌い続けることによって「元を取った」という満足考えられるからでしょう。
しかし、歌い過ぎて喉を痛めてしまったり、時間ギリギリまで粘って時間をムダにしてしまったりするという弊害があります。喉を痛めるのは明らかに不利益ですし、時間ギリギリまで粘らずに他のことに時間を使って有意義に過ごすということもできたはずです。
最初の投資がサンクコストであるという考え方ができずに、固執してしまうとサンクコストの呪縛に陥ってしまいます。
スキー場のリフト券
リフト券には「一日券」というサービスがあります。これを購入すると一日何回でもリフトに乗れる、いわゆる「乗り放題」状態になります。
すると人は「せっかく乗り放題なんだから、たくさん乗らなきゃ損する!」と考え、過剰に乗ってしまうことがあります。
リフトに乗り過ぎてゲレンデを滑走し過ぎ、疲れがたまって怪我でもしてしまったら、完全に本末転倒です。
これも、最初の投資の元を取ろうと無理に何度もリフトに乗ろうという行為を繰り返すことで、サンクコストの呪縛に陥ってしまう事になります。
「乗り放題」のテーマパークチケット
テーマパークは入場券と乗車券がセットになっている、一日乗り放題チケットを発行していることが一般的です。
スキー場のリフト券同様、こちらも「元を取ろう」と躍起になり、乗り過ぎてしまうこともしばしば。
無理をし過ぎて体調を壊してしまったら、それこそサンクコストの呪縛に陥った状態となってしまいます。
また、全ての人が「元を取ろう」と考えてしまうと、リフトが大混雑する事になってしまい、これもサンクコストの呪縛の弊害と考えることもできます。
他にも様々なサンクコストの呪縛の例はあるんです
歌い放題、乗り放題に限らず、世の中にはたくさんの「○○放題」が存在します。
食べ放題、飲み放題も例外ではありません。
「○○放題」だからといって元を取ろうと躍起にならず、合理的に判断できてこそ本質的に楽しむことができるのではないでしょうか。
初期投資はサンクコストと捉えるべき
「○○放題」のシステムを利用する上で、最初に料金を支払う事になりますが、それはサンクコストと考え、回収不可能なものであると割り切って考えることが大切です。
乗ろうが乗るまいが、歌おうが歌うまいが、初期投資額は返ってくるお金ではありません。それを踏まえた上で「○○放題」を楽しめば、より一層楽しむことができると思います。
サンクコストであると割り切って、無理に元を取ろうとしないで楽しんだ方が合理的。