囚人のジレンマとは
投稿日: 2014年02月16日
最終更新日: 2017年02月07日
相手を信じるか、それとも裏切るか
個々にとって最良の選択でも、全体から見たら不利益をもたらしてしまう状況のことを、囚人のジレンマといいます。
囚人とは悪いことをして捕まった人のことで、その人の板挟みの状況を描写しているのでこのように呼ばれます。
囚人のジレンマの具体例
共犯の疑いのある2人の囚人が別々の部屋で取り調べを受けているとします。囚人どうしは互いに意見交換をすることはできません。
そこで、取り調べをしている警察官は、以下のことをそれぞれの囚人に言ったとします。
1:AとBの両方とも黙秘したら、2人とも懲役2年にしてやる。
2:どちらか一方が自白し、もう一方が黙秘を続けたら、自白した方は釈放(懲役0年)、黙秘した方は懲役10年だ。
3:2人とも自白したら、2人とも懲役5年とする。
この状況を表にまとめると、以下のようになります。
囚人B協調 | 囚人B裏切り | |
---|---|---|
囚人A協調 | 囚人A懲役2年 囚人B懲役2年 |
囚人A懲役10年 囚人B懲役0年 |
囚人A裏切り | 囚人A懲役0年 囚人B懲役10年 |
囚人A懲役5年 囚人B懲役5年 |
Aの立場に立って考えてみましょう。
Bが協調(黙秘)した場合、自分が裏切ったら自分は懲役0年で済みます。自分も黙秘を続けたら、懲役2年となります。従って、Aは裏切った方が得です。
Bが裏切って自白した場合、自分が裏切ったらお互いに自白しているので懲役5年、自分が黙秘し続けたらBは釈放されるのに対し自分は懲役10年になってしまう。従って、自分も裏切った方が懲役の年数が少ないのでAは裏切るという選択をします。
このように、Bが協調しようが裏切ろうが、Aは裏切った方が得という事になります。しかし、それはBにとっても同じことです。となると、このような状況ではお互い個別の判断で裏切ってしまう結果になるのですが、そのときはお互いに黙秘するより刑が重くなってしまいます(お互い黙秘を続ければお互い懲役2年、両方とも自白したらお互い懲役5年)。