割引きはサービスではない?-企業の巧妙な価格差別を見極めよう

価格差別

投稿日: 2014年02月15日

最終更新日: 2017年02月07日

消費者には嬉しい割引きだが?

企業が行う割引きや値引きって、単なるサービスだと思いますか?

意外なことに、あれはサービスではなく戦略なのです。企業は売上を上げるために、様々な工夫と努力をします。その一環として、価格差別という物があります。

今回は、価格差別の具体例を見ながら、企業戦略としての価格差別について考えてみたいと思います。そこには、賢い消費者になるにはどのように行動すれば良いのかの答えが隠されているはずです。

そこには巧妙にしかけられた価格差別が

割引きとして有名な物に、学割制度という物があります。その人が学生で、学生証などを提示すれば割引き料金が適用されるという物です。

これは、学生を顧客として取り込むための手法であり、(業種業態にもよりますが)サービスではありません。

学生は一般的に所得水準が低いため、社会人と同じ金額を払いにくいと考えられます。ですから企業は、お金のない学生には学生専用の価格を設定することで、顧客として取り込もうと考えた訳です。

企業は顧客をカテゴリー分けする

企業は価格差別をうまく使いこなすために、人々をカテゴリー分けします。所得水準が高い人・低い人、時間がある人・ない人、価格に敏感な人・鈍感な人、などなど、様々なデータを集め、戦略を練ります。

そしてできるだけその人の水準や環境に合致した価格で販売しようと考えるのです。

「高いけど買って下さいね」なんてことは企業は絶対に言えませんので、「この人はいくらなら買う可能性が高い」というのをデータからはじき出そうとするのです。

そのデータというのは、地域や世代、性別なども含まれます。

賢い消費者を目指すために

企業の行動の裏側を考えることで、賢い消費者になることができる場合があります。

例えば広告などは、見て欲しい部分は大きく目立つ文章で書かれたりしていますが、あまり見られたくない部分、本当に大切な部分は小さく見えにくく書いてあったりします。

広告の目立つ部分だけを読んで鵜呑みにし、信じきってしまう顧客は、企業からしたら本当にありがたいお客様と言う事になってしまいます。そのような顧客は通常より割高な金額でものを買ってしまったりすることも多いでしょう。

反面、細かい部分まできちんとチェックし、理解してから商品を購入しようと考える消費者は、企業からしたら賢い消費者と考えられるようになり、割安な価格で商品を購入できる可能性が高まると考えられます。

広告は企業が発する情報のカタマリのような物で、顧客がなんとかしてその商品に関する情報を引き出すのにうってつけのアイテムです。つまり、スクリーニングとしての機能があるということができます。

商品の購入を決める前に、その商品についての情報をしっかりと見極める消費者こそ、賢い消費者であると言うことができるのではないでしょうか。

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