国でも企業でもサンクコストの呪縛に陥る可能性はある

サンクコスト

投稿日: 2014年02月01日

最終更新日: 2017年02月07日

国や企業って頭良いんじゃないの?

国や大企業のトップたちは、その影響力も大きく、この国の頭脳として働いています。国や企業を運営するということはとても大変なことで、考えなければならないことが山ほどあります。そのトップに立つ人たちは、それらの仕事をさばき、常にスマートでなければなりません。

そのような秀才たちでも、サンクコストの呪縛に陥ることはあるのです。

今回は、頭脳明晰なトップでもサンクコストの呪縛に陥ってしまう理由について考えてみたいと思います。分かっているのにあとに引けない、非合理な行動をしてしまうのはなぜなのでしょうか。

大きな資金が動く

国や企業の投資には桁違いの金額が伴います。時には数千億〜兆の単位が動きます。

サンクコストは、動く金額が大きければ大きいほど、割り切ることが難しいといわれています。

例えばこれまでに1,000億円投資して、あるプロジェクトを実行してきたとします。

しかし、プロジェクトを進めるうち、とても安く済む代替案が浮上し、そちらの方が達成できる可能性が高いことが分かりました。新しいプロジェクトを実行するには、これまでしてきたプロジェクトを中断し、新たなプロジェクトに新規投資しなければならないとします。客観的に見ると、新規プロジェクトの方が成功の可能性は高く、コストも抑えることができます。

それなのに、これまで投資した1,000億円をムダにしたくない企業は、代替案を採択せずに、既存のプロジェクトに固執しようとします。

「これまで1,000億円もかけて投資してきたんだから、今さら曲げるわけにはいかない」
「投資判断を誤ったなんてことが世間に露見したら、株価の暴落は免れない」
「何としてでも既存のプロジェクトを成功させる」

という非合理な判断をしてしまうことも多いのです。

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これまで支払った対価が大きいと、なかなかそれを諦めることができなくなる。

見栄やメンツを守ろうとする

上記のプロジェクトの例に則して考えてみた場合、金額面ではなく人間の心理面でもサンクコストの呪縛は働きかけます。

「ここで既存のプロジェクトをやめたらメンツに関わる」
「一度決めた方針を曲げてしまったら信用を失いかねない」

など、心理的な要因により正しい選択ができなくなってしまう可能性があります。

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金額面だけではなく、心理的な要因によっても人は既存のプロジェクトに固執することがある。

これまでプロジェクトに費やしてきたお金や時間が大きいと、人はそれに執着するようになり、正しい意思決定ができなくなってしまう事もあるのです。

合理的な意思決定をするために

このようなサンクコストの呪縛に陥らないようにするためには、回収不可能な投資は諦めて、新たな気持ちで意思決定することも必要だと認めることです。

金額的に安く済む代替案がある場合、これまでしてきた投資の多寡に関わらず、国や企業に取って合理的な判断をするように努めることで、誤った投資判断をせずに済むと経済学は説きます。

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金額の大小、メンツの問題を考えずに、冷静にサンクコストと向き合うことで、合理的な判断ができるようになる。

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