株式って何?-読むだけで分かる、株の基礎知識

投資

投稿日: 2014年01月28日

最終更新日: 2017年02月07日

そもそも株って何?

「株式」とか「株式会社」ってよく見たり聞いたりしますけど、なんのこっちゃ良く分からん…という人が圧倒的多数を占めます。

今回は、株式についてできるだけ分かりやすく解説してみたいと思います。

まず、株式というのは「権利」です。株式という権利を手に入れる際にお金を払わないと権利を取得することができません。しかし、一度権利を取得したら、義務はありません。

株式という権利を持っている人のことを株主と言いますが、株主になった以上、支払い(払込義務)は終了しておりますから、株主には権利しかありません。

株式会社は株式を発行している

definition
広く浅く資金を集めるために株式会社は株式を発行している。
株式とは会社の所有権の細切れであり、その1つ1つを大人数で所持しているとイメージすると分かりやすい。

株式会社は多かれ少なかれ株式を発行しております。つまり権利ですね。

それを不特定多数の人に買ってもらい、広く浅く資金を集めるのが株式を発行する最大の目的です。

1億円集めるために、10人から1,000万円集めても、1,000万人から10円ずつ集めても、会社としては同じ1億円です。

もし万が一、会社が倒産してしまったとして、10人が1,000万円失うより1,000万人が10円ずつ失った方が1人当たりの痛手は少ないです。

それに1,000万円も拠出してくれる人を10人も集めるなんて、大変なことですよね。

株式という権利を細分化して、多くの人に買ってもらう趣旨は、資金の集めやすさや万が一のときの損失の大きさなども考えられているのです。

売ってるとこ見たこと無い!

「株式を買う」といっても、多くの人は株式を売っているところ、見たこと無いのではないでしょうか。

以前は「株券」という、株主の権利を示す手形のような紙切れが発行されていたのですが、現在株券は原則として発行しない事になっていますので、権利だけが売買されている状態です。なおさら目にしにくくなってしまいましたね。

そもそも株式は、株式会社に行っても売っていません。証券会社というところで買うことができます。

直接証券会社にいっても買うことができますし、最近ではパソコンやケータイ電話からも買うことができます。

株式会社自身も、自社で株式を管理するより、証券会社に管理を委託した方が利便性が高いのです。

メインは価格上昇(含み益)、配当はオマケ

株式と言うと価格が乱高下するイメージですが、全ての会社がそういう訳ではありません。

また、株主は配当で大儲けしていると勘違いしている人もいますが、配当は株式そのものの価格の上下(含み益・含み損)に比べれば、微々たるものです。

株主優待という嬉しい特典も

株主優待とは、株主の皆さんに会社からのプレゼントといったところでしょうか。

株主総会などでプレゼントを配られたり、割引きチケットをくれたり、趣向を凝らした株主優待がたくさんあります。

法律で、「保有株式数の上下であまり差を付けてはいけない、軽微なものにすること」と定められていますので、その会社の株をたくさん持っているからと言って、めちゃくちゃ豪華な株主優待を受けることができる、ということはありませんが、会社からのささやかなプレゼントですので、素直に喜べるものも多いです。

財務諸表が読めれば業績が分かる

いざ「株式を買いたい!」と思っても、株式会社はたくさんあるので、どの会社の株を買ったら良いのか迷ってしまいますよね。

みんなに株式を買って欲しい会社は、自分の会社の財務諸表を公表しなければならないと義務づけられています。財務諸表というのは、簡単に言うと企業のお小遣い帳のようなもので、「いくら稼いでいます」みたいな内容の帳面です。

これが結構複雑で、最初は何が書かれているのか分かりませんが、「簿記」という科目をちょっとだけ勉強すれば、読めるようになります。

企業の財務諸表が読めるようになれば、自分で銘柄を選び、自分で株を購入することができるようになります。

重視すべきはROEとPER

日経会社情報や会社四季報といった本を買えば、企業の財務諸表やROEとPERという数値も入手することができます(買わなくてもネットで財務諸表を見れば自分で算出することもできます)。

株の銘柄を選択するときに特に重要なのはROE(銀行で言う利率として考えることができる)とPER(利益の何倍で取引されているかの倍率)です。

この辺の銘柄選択術や指標の見方は、これらの書籍が多いに役に立ちます。

  • 株式投資入門 (ビジネス・ゼミナール)
  • 億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術
  • 新賢明なる投資家 上~割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法~《改訂版――現代に合わせた注解付き》 (ウィザードブックシリーズ)
  • 会社の読み方 (ビジネス・ゼミナール)

これらの書籍で紹介されている方法は、企業をある一定の尺度で線引きし、自分なりに格付けして、あらゆる条件を満たした企業のみでポートフォリオを作っていくというやり方です。一見難しそうですが、やってみると驚くほど簡単にポートフォリオを作ることができます。

ウォーレンバフェットという人は株式投資の世界では超有名人ですが、その師匠はベンジャミングレアムという人です。ウォーレンバフェットはスゴい人ですが本を書きませんし、素人が真似するのはちょっと資金的に無理がありますので、バフェットの師匠のグレアムの手法からいろいろ学んでいくことをオススメ致します。

上場しないと買えない

「上場企業」という言葉、よく耳にすると思います。実は株式は、上場企業のものでないと買うことができません。

街中に「○○株式会社」というのをよく目にすると思いますが、そのほとんどが非上場企業であり、一般人が株式を購入することができません。

上場している企業は、株式会社全体の1%以下であると言われています。上場したら、不特定多数の人が株を購入することができるようになります。ですから、厳しい審査を課し、その狭き門を通り抜けた優秀な企業しか上場してはならないという事になっているんですね。

株式に関して知識を深め、自分で銘柄を選択できるようになり、潤沢な資金を用意することができれば、素晴らしい投資家になるのも夢ではありません。

株式投資は、そういう希望も秘めているのですね。

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